








| 施工内容 | 外壁塗装,一面角波板金カバー |
|---|---|
| 使用材料 | 角波板金 |
| 施工期間 | 3週間 |
| 価格 | 160万円 |







今回の現場は、当初、外壁塗装のお見積もりをご依頼いただいたことがきっかけでした。
塗装工事のお見積もりであっても、単に外壁の面積を測るだけでは十分ではありません。建物全体の状態を把握し、傷んでいる部分や塗装では対応できない箇所がないかを、しっかりと確認することが私の務めです。
調査を進めると、外壁には細かなクラックがいくつか見られました。それらは補修を行えば塗装できる程度のものでしたが、西面の外壁には大きなひび割れが発生していました。
ひび割れだけを見れば、コーキングで埋めてから塗装することで、表面上は分からなくなってしまいます。しかし、打診検査を行ったところ、ひび割れの周辺で外壁が広い範囲にわたって浮いていることが確認できました。
この状態では、きれいに塗装をしても、地震などの揺れによって外壁が剥がれ落ちる危険があります。それでは、せっかく塗装をしても意味がありません。
そこで、西面については塗装で済ませるのではなく、下地の木材で既存の外壁をしっかりと固定したうえで、新しい外壁材を重ねるカバー工法をご提案しました。お客様にも建物の状態と危険性をご説明し、ご提案に納得していただいたことで、今回の工事を行うことになりました。










木部・金属・外壁で塗料を使い分ける外壁塗装
今回のお宅は築年数が経過しているため、窓枠にはアルミサッシではなく木枠が使われています。
木枠を保護する上端の蓋は金属製で、そのほかにも木製の格子などがあるため、木部用・金属部用・外壁用と、塗装する場所に合わせて塗料を細かく使い分けなければなりません。そのため、通常の外壁塗装よりも手間のかかる内容となっています。
今回は西面の外壁だけ角波板金でカバーするため、その一面だけ色が浮いて見えないように色決めの順番も工夫しました。
まずは色の種類が限られているガルバリウム鋼板の中から、お客様に角波板金の色を選んでいただきます。そのうえで、ほかの外壁に使用する塗料の色を角波板金に合わせて決めていきました。
これは私たちが普段から行っている色決めの方法です。塗装面と板金面で使用する材料が異なっても、建物全体に違和感が出にくいと、お客様からもご好評をいただいております。
角波板金による一面カバー工事は、外壁塗装が完了してから行います。先に塗装を仕上げることで、角波板金への余分な養生を減らし、作業を効率よく進めるためです。









透湿防水シートと通気層を設けた角波板金カバー工事
角波板金のカバー工事では、下地木材の取り付けと同時に透湿防水シートを張っていきます。
透湿防水シートによって防水性を確保し、下地木材で通気層を設けるとともに、浮きが確認された既存の外壁材を押さえる役割も持たせています。それぞれの材料の役割を考えながら、慎重に作業を進めました。
私たちの角波板金の張り方には、リフォーム工事で長年培ってきた独自の施工ルールがあります。
特に雨水が入り込みやすい窓の上端には、内側へ折り曲げたL型の役物をコーキングとともに取り付けます。その上からコの字型の額縁を取り付け、そこへ角波板金を差し込んで納めます。外壁の内部へ雨水が入り込まないように考えた、私たち独自の納まりです。
また、特にこだわっているのが、下地木材にも角波板金本体にも釘を一切使用しないことです。すべてビスを使用し、一本ずつ効き具合と強度を手で確認しながら締め付けていきます。
釘打ち機を使えば短時間で施工できますが、打ち込んだ釘が下地にどの程度効いているのか、一本ずつ確かめることはできません。そのため、下地木材はビスの効きを確認しながら確実に固定しています。
角波板金本体も、ポケットネイラーで同色のステンレス釘を打てば早く施工できます。しかし、打ち込む際の衝撃によって釘頭の塗装が剥がれてしまうことがあります。
そこで私たちは、角波板金と同色のステンレスビスを使用し、一本ずつ丁寧に手で締め付けて仕上げています。







外壁塗装が完了した段階で、塗装職人から「雨戸レールの木部が一箇所だけ腐食しており、この状態では塗装できない」と連絡がありました。
場所は2階部分で、私も現地調査の際にそこまで確認できていませんでした。私の確認不足でもあるため、今回はサービス工事として交換させていただくことにしました。
腐食した木材をいったん取り外し、新しい木材を加工して取り付けます。最後に板金を張って木部を保護し、周囲にも違和感のない丈夫な仕上がりとなりました。
西面一面に施工した角波板金と、塗装した外壁との色の取り合いも、ほとんど違和感なく仕上げることができました。ぱっと見ただけでは、一面だけが角波板金になっていることに気づかないほど、全体を近い色合いでまとめられたと思います。
塗装では対応できなかった西面の外壁を角波板金でカバーし、雨戸レールの腐食部分も交換して、すべての工事が完了となりました。