







雨漏り調査は、目視で分かるものばかりではありません
雨漏りの調査に伺いました。
雨漏りには、いろいろなパターンがあります。目視だけで原因が分かるものもあれば、「おそらくここだろう」と予想はできても、確認が必要なものもあります。そして、本格的に調査をしなければ、全く見当がつかない難しいケースもあります。
私たちは、まず無料の目視調査を行い、確認できた状況や、その後に必要な調査についてお客様にご説明しています。
今回の現場は、最初に見た印象では中程度の難しさでした。疑わしい場所が1~2箇所に絞れ、近くの水道やホースをお借りできる場合には、無料調査の範囲で簡単に水をかけて確認することもあります。
この段階の散水は、ある程度予想できた原因を確かめるための確認作業です。実際に雨漏りが再現され、「やはりここでしたね」と確認できることも多くあります。
ところが、今回は予想した場所に水をかけても、室内に水が出てきませんでした。思い当たる場所を2箇所確認しましたが、どちらも雨漏りは再現されません。
こうなってくると、話は簡単ではありません。周辺の屋根瓦にも、目視では雨漏りにつながるような明らかな異常は見当たりませんでした。
また、今回のバルコニーは、モルタルの下に金属製の板状の部材がある構造です。入り込んだ水がその部材に沿って離れた場所まで移動する可能性があり、室内に水が出る場所と、実際の侵入口が近いとは限りません。
そのため、今回は無料調査の範囲で原因を断定せず、次の段階となる有料の散水調査について、お見積書を郵送することになりました。



有料の散水調査でも、必ず一度で原因が分かるとは限りません
本格的な散水調査では、疑わしい場所を順番に確認しながら、雨漏りが起きる条件や、水の侵入口を絞っていきます。
当社では、木造住宅の調査費用は5万円程度が一つの目安です。一方、鉄骨造や鉄筋コンクリート造のビルなど、構造や雨水の経路が複雑な建物では、20万円を超える調査になることもあります。実際の費用は、建物の状況や調査内容に応じてお見積もりしています。
そして、ご依頼の前に必ずお伝えしているのが、「有料調査を行えば、その費用の範囲で100%原因が分かるとは限らない」ということです。
水をかけても、普段の雨漏りがどうしても再現されないことが、ごくまれにあります。その場合は、調査方法や条件を見直し、再調査が必要になります。
私のこれまでの経験では、木造住宅で原因を絞り切れず、再調査が必要になるのは1~2%程度という感覚です。頻繁にあることではありませんが、ゼロとは言えません。お客様には申し訳なく感じる場面ですが、その可能性も含め、事前に正直にお伝えすることが大切だと思っています。
本来、建てた業者さんは建物の構造や施工方法を把握しやすい立場ですから、まずはしっかりと原因の解明に取り組んでいただきたいところです。
ただ、私たちにご相談いただくお客様の中には、「建てた業者さんに見てもらったけれど、分からないと言われた」という方もいらっしゃいます。過去の補修跡を確認すると、実際の侵入口とは関係が薄そうな場所にコーキングが施工されているケースもあります。
雨漏りは、疑わしいところを手当たり次第に塞げば直るというものではありません。水がどこから入り、どこを通って出てきているのかを考える必要があります。
雨漏りの専門家として、これまで積み重ねてきた経験と、原因を追いかける力には自信があります。それでも、決して侮れないのが雨漏りです。
今回も安易に原因を決めつけず、次の調査へと進めていきます。