








カバー工事をしても止まらなかった雨漏り|屋根に上がると原因はすぐに分かりました
今回は、かなり大きな建物の雨漏り調査です。
今回ご契約いただいたお客様が関係されている施設で、「こちらも以前から雨漏りしているので、一度見てもらいたい」とのことで、ご契約いただいた当日にそのまま一緒に現場へ伺いました。
お話を聞くと、これまでにもいろいろな業者さんが雨漏り修理に携わってきたそうです。
しかし、結局雨漏りは止まっていませんでした。
中でも一番大きな工事として行われたのが、既存の屋根の上から新しい屋根を施工する「屋根カバー工事」です。
つまり現在は屋根が二重になっている状態です。
それでも雨漏りが止まらなかったということでした。
通常、屋根全体をカバー工事まで行えば、一般的な屋根からの雨漏りであれば改善する可能性はかなり高くなります。
そのため私も、
「いったいどんな複雑な問題が起きているのだろう」
と少し構えながら屋根へ上がりました。
建物自体も非常に大きく、これまで工事を担当してきた建設会社さんや屋根会社さんも大きな会社だったそうです。
ところが、実際に屋根に上がって確認してみると、雨漏りの大きな原因と思われる部分はすぐに分かりました。
施工されていたのは、いわゆる横葺きタイプの金属屋根です。
問題は屋根材そのものというよりも、「屋根勾配」でした。
どう見ても、横葺き屋根を施工するには勾配が緩すぎるのです。
一般的に横葺き屋根は、最低でも2寸5分程度以上の勾配を必要とする製品が多くあります。
さらに近年では、比較的緩い勾配に施工する場合について、
「粘着層付きルーフィングを使用してください」
といった条件を設けているメーカーもあります。
それだけ横葺き屋根は、低勾配での雨仕舞いに注意が必要な屋根材なのです。
ところが今回、雨漏りしている屋根の大部分は約2寸勾配。
さらに一段低くなった部分は約1寸5分勾配。
そして屋根中央付近にあるドーマ屋根については、ほとんどゼロ勾配と言ってよい状態でした。
これでは、そもそも屋根材の選定から考え直さなければならない屋根です。
カバー工事を行った際に、なぜ低勾配に適した縦葺き系の屋根へ変更しなかったのか。
そして、ほぼゼロ勾配となっているドーマ部分について、なぜ下地から勾配を作り直す工事をしなかったのか。
現場を確認すると、その部分には大きな疑問が残りました。



屋根材と勾配が合っていない大屋根|「全部止まります」とは言えない雨漏り修理
今回の建物は非常に大きく、屋根形状もかなり複雑です。
しかも屋根全体の多くで、現在使用されている横葺き屋根に対して勾配が不足している状態でした。
そのため今回、私たちからは現在特に雨漏りがひどい箇所を重点的に改善するためのお見積もりを提出することになりました。
もう一つ気になったのが雨どいです。
これだけ大きく複雑な屋根にもかかわらず、雨どいが設置されていない部分が多くありました。
屋根形状によっては、雨水が一部分へ集中して流れ込む場所があります。
そのような部分については、必要な箇所に雨どいを新しく設置し、雨水を適切な場所へ逃がす方法もご提案しています。
ただし今回、お客様には最初にきちんとお伝えしました。
「今回の工事で、建物全体の雨漏りが100%すべて止まるとは保証できません」
ということです。
なぜなら、部分的な施工不良を直すというだけではなく、屋根全体にわたって「屋根勾配と屋根材が合っていない」という根本的な問題があるためです。
例えば2寸勾配の屋根。
さらに1寸5分勾配の屋根。
ほぼゼロ勾配のドーマ屋根。
これらに横葺き屋根が使用されています。
本来であれば、カバー工事を行うタイミングこそ、現在の屋根勾配に適した屋根材へ変更できる大きな機会だったはずです。
特に緩勾配の屋根では、屋根材のデザインや価格だけではなく、
「その屋根材が、その勾配で本当に施工できるのか」
ということが非常に重要です。
どれだけ高価な屋根材を使っても、どれだけ大きな会社が施工しても、屋根の条件に合っていなければ雨漏りの原因になる可能性があります。
今回のように、一度カバー工事まで行った屋根を再び直すことになれば、お客様にとっても大きな負担です。
だからこそ屋根工事では、施工する前の屋根調査と屋根材の選定が重要なのです。
今回は、まず現在重点的に雨漏りしている部分を中心に改善する方法をご提案します。
できること、できないこと。
そして今回の工事でどこまで改善が期待できるのか。
そこを曖昧にせず、きちんとご説明した上でお見積もりを提出したいと思います。