








今回は5件の現場調査がありました。
その中でも、特に印象に残った現場調査についてお伝えします。
こちらのお客様からのご依頼は、バルコニーの出隅部分が大きく割れてしまっているため、その部分を直してほしいという内容でした。
現場を確認すると、出隅の割れている部分から中を覗けるほど隙間が開いており、その中に打たれている下地の木材が激しく劣化し、腐食して、ほとんどなくなっている状態でした。
この部分だけを修理することは、作業としては簡単にできます。
ですが、私たちがまず考えるのは、なぜこの部分がここまで傷んでしまったのかということです。
確認していくと、これは単純に出隅だけが割れたという話ではなく、バルコニーの作り自体に問題があり、水が侵入してしまう状態になっていることがわかりました。
仮に、この出隅部分だけをきれいに直してしまった場合、見た目は一時的に良くなります。
しかし、水が侵入する悪い仕組み自体は何も変わりません。
そうなると、今度は侵入してきた水の逃げ場がなくなり、別の場所へ水が回って、さらに広い範囲が腐っていく可能性があります。
つまり、悪い部分だけをふさいでしまうことで、かえって建物にとって悪い状態を作ってしまうこともあるのです。



バルコニー全体を確認してみても、やはり各所に傷みが出ていることがわかりました。
お客様にはその状況をお伝えし、
「ここだけを直すのであれば、かえって悪くなってしまう可能性があります。それなら何も直さない方が、家としては長持ちする場合もあります。直すのであれば、このバルコニー全体を直さなければなりません」
というお話をさせていただきました。
お客様も、状況をご理解してくださいました。
さらに、バルコニーの内側も見させていただいたところ、内側のサイディングにも異常がありました。
画像では少しわかりにくいのですが、長手方向のサイディングの中央部では、下の部分が3センチ以上も盛り上がっていました。
お客様自身もこのことには気づいておらず、私が指摘した時には驚かれていました。
また、バルコニーの床を歩いた時に、下地が柔らかくなっていることにも気づきました。
こちらの床についても、下地を補強し、防水をやり直した方がいいことをお伝えしました。
今回は、それぞれの工事内容を分けて、お見積もりを作成することになりました。
バルコニーについては、いつも私たちが行っているように、笠木を一度外し、水に強い金属サイディングで仕上げ、中で腐っている箇所を補強していく内容でご提案する予定です。
今回のように、最初のご依頼としては本当に小さな破損に見えることでも、その奥には大きな不具合が隠れていることがあります。
小さなサインを見逃さないこと。
そして、その場しのぎの修理ではなく、なぜそうなったのかを考えること。
これは、建物を長持ちさせるために非常に大事なことだと思います。