








| 施工内容 | バルコニー補強、防水、カバー工事 |
|---|---|
| 使用材料 | ダンサイディング |
| 施工期間 | 3週間 |
| 価格 | 220万円 |





1cmほどの隙間から発覚したバルコニー内部の腐食
今回の工事の始まりは、バルコニー下にあるサイディングの出隅部分の補修依頼でした。
出隅の角が割れてしまい、1cmほどの隙間ができているので、「ここを埋めてほしい」ということで現場調査に伺いました。
ところが、実際に割れている部分を見た瞬間、私は少し違和感を感じました。
単純にサイディングが割れただけではないように見えたため、隙間からライトを当てて中を確認してみると、内部の下地が腐食していることが分かりました。
さすがにこの状態で表面だけを塞いでしまうわけにはいきません。
お客様にも、
「このまま隙間だけを埋めることはできません。まず、中が腐ってしまった原因を調べる必要があります」
とお伝えしました。
そして、この場所に水が入っている原因として疑ったのが、真上にあるバルコニーです。
こちらのお宅のバルコニーは10m以上もある非常に大きなもので、全体を確認していくと、ところどころに水が溜まっている場所があり、そこから内部へ水が回っていることが確認できました。
さらにバルコニーの床を歩いてみると、踏んだ瞬間に「ふわふわする」という違和感がありました。
お客様に、
「この床、ふわふわしていますよね?」
と聞いたところ、
「ずっとここで生活しているので分からないです。こんなものだと思っていました」
とのことでした。
一般的なバルコニーの床下地には24mm程度の合板が使われることが多いのですが、私が歩いた感覚では、とてもそのくらいの厚みや強度がある状態には感じられませんでした。
さらに、バルコニー内側の壁にも膨らんでいる部分がありました。
これについても、内部に水が入り込んで下地が腐食し、それによって壁が膨らんでいる可能性が高いことをご説明しました。
ただ、お客様からすれば、それまで普通に生活していたバルコニーです。
私が「床もおかしいです」「壁の中も腐食していると思います」とお話ししても、最初は「そうなんですか?」という感じで、少し半信半疑だったと思います。
私自身も現場調査を終えた時点では、お見積もりを提出しても工事を行うかどうかは半々くらいかなと思っていました。
しかし後日、お客様から正式に工事をお願いしたいというご連絡をいただき、今回のバルコニー補修・補強工事を行うこととなりました。
最初は、わずか1cmほどの隙間を塞いでほしいというご相談でした。
しかし、その小さな異変を詳しく調べていったことで、バルコニー全体に隠れていた大きな問題を発見することになった現場です。







解体しながら腐食の範囲を確認|想像以上に進んでいたバルコニー内部
補強工事を行うにあたり、まずは腐食している部分の外壁を少しずつ解体しながら、内部の状態を確認していきます。
今回の現場では、お見積もりの段階である程度の腐食範囲を予測し、補強が必要になる箇所も想定したうえで金額を出していました。
そのため、まずは腐食が確認できていた下側から、水がどのように回っているのかを追いながら外壁をばらしていきます。
バルコニーの内壁と外壁については、現場調査の時点で「おそらくかなり広範囲に腐食しているだろう」と予測していました。
実際に解体してみると、やはりバルコニー周りの下地はかなり傷んでいました。
さらに柱部分をめくって確認すると、反対側の柱にもかなり腐食が進んでいることが判明しました。
ここについては少し想定外ではありましたが、腐食している全体の範囲としては、ほぼ見積もり時に予測していた範囲内に収まっていました。
ただし、実際に開けてみたときの「腐食の度合い」については、特にバルコニー部分でこちらの想像以上でした。
今回の工事のきっかけは、たった1cmほどのサイディングの隙間です。
もしそこで違和感を感じず、その隙間だけを塞いで終わっていたら、内部ではさらに腐食が進んでいたと思います。
そう考えると、本当に今回のタイミングで発見できて、何とかギリギリ間に合ったという印象があります。
解体後の写真を見ると、かなりショッキングに感じる方もいると思います。
しかし、私たちのように屋根や外壁のリフォームで既存部分を解体する仕事をしていると、実はこのような状態は決して珍しいものではありません。
外から見た状態では、それほど悪く見えなかったとしても、実際に外壁をめくってみると、中ではここまで腐食が進んでいることがあります。
ぜひ最初の状態の写真と、解体後の写真を見比べてみてください。
建物の雨漏りや腐食というものは、表面に見えている症状以上に、内部で進行している場合があるということがよく分かる現場だと思います。






腐食した柱を角パイプで補強|木材だけでは難しい部分は鉄骨を使用
腐食している部分の確認が終わったところで、いよいよ補強工事に入っていきます。
普段、私たちが行う補強工事では、ほとんどの場合、新しい木材を使って補強していきます。
しかし今回のように、建物を支える重要な柱が著しく腐食してしまっている場合には、木材だけでは十分な強度を確保するのが難しいことがあります。
今回も柱の一部が、感覚的には3分の2ほど腐食してしまっているような状態でした。
ここは強度的にも非常に重要な部分なので、木材だけで補強するのは厳しいと判断し、1箇所については角パイプを2本差し込み、しっかりと補強しました。
その他の部分については、既存の木材をすべて交換するのではなく、まだ健全な木材と腐食してしまった木材を一つひとつ見極めながら作業を進めていきます。
強度が残っている部分は活かし、傷んでいる部分については速やかに撤去して、新しい木材へ交換していきました。
解体中には、一部でシロアリも確認されました。
発見したものについては、その場で殺虫剤を使用して処理しています。
雨漏りなどによって木材が長期間湿った状態になると、シロアリにとっても被害が起こりやすい環境になります。
そのため今回の工事では、腐食した木材を交換するだけではなく、そもそもの原因となっていた水の侵入を止め、今後は内部が乾燥した状態を保てるようにすることが非常に重要です。
もちろん、シロアリの活動範囲が広い場合や、建物全体への被害が疑われる場合には、専門のシロアリ業者による調査や防蟻処理を行った方が安心です。
今回は腐食部分をしっかり撤去・補強したうえで、防水のための透湿防水シートを施工します。
その上から金属サイディングを張るための木下地を取り付け、次の仕上げ工程へ進めていきました。
今回のような工事では、ただ腐ったところを隠してしまうのではなく、「どこまで交換するのか」「どこを残せるのか」「どこに強度が必要なのか」を判断しながら補強していくことが非常に重要になります。







バルコニー床の防水工事|防水層が無事でも下地が傷んでいれば要注意
続いて、バルコニー床の防水工事を行っていきます。
現場調査の段階で防水層そのものを確認したところ、表面上は特に大きな問題はありませんでした。
ただし、実際にバルコニーの上を歩いてみると床がふわふわしており、さらに防水の立ち上がり部分に使われている合板についても、かなり不安がある状態でした。
そのため今回は、防水層だけを見るのではなく、下地まで含めてしっかり直した方がいいと判断し、防水のやり替えもご提案しました。
実際にバルコニーの内側を解体して確認してみると、やはり防水立ち上がり部分の合板もかなり腐食が進んでおり、ベロベロになっているような状態でした。
ここをそのまま残して表面だけを仕上げても、長い目で見れば不安が残ります。
そこで、傷んでいた合板を新しいものへ張り替え、防水の立ち上がり部分もしっかりと作り直しました。
さらに、この上には新しい金属サイディングを施工していきます。
ここまで下地から防水、外壁まで一緒にやり直せば、かなり安心できる施工になります。
もちろん工事には予算もありますので、必ずしも今回この部分までやり直さなければ施工できなかった、というわけではありません。
ただ、せっかくここまで解体し、内部の腐食まで補修するのであれば、長い目で見たときには同時に直しておいた方が間違いなく安心です。
今回、このタイミングでバルコニー床の下地と防水まで一緒に施工できたことは、とても良かったと思います。








金属サイディングを施工して完成|笠木ジョイントも改良
補強工事、防水工事が終わり、最後に金属サイディングを施工して仕上げていきます。
金属サイディングの施工方法については、これまでにも何度かご紹介していますので、今回は詳しい説明は割愛します。
今回の仕上げで特に重要だったのが、バルコニーのアルミ笠木です。
既存のアルミ笠木には、ジョイント部分やコーナー部分にカバーが取り付けられていました。
通常、このようなカバーは4〜5cm程度の幅があることが多いのですが、今回取り付けられていたものは約2cmほどしかなく、かなり細いものでした。
実際に内部の腐食状況を確認した感じでも、このジョイント周辺からかなりの量の水が入り込んでいた可能性が高いと考えています。
そのため今回は、既存の細いカバーは再使用せず、こちらで幅の広いカバーを板金で製作し、取り付けました。
また、バルコニーの軒天部分についても角波板金を施工しています。
さらに、外壁との取り合いには「オーバーハング水切り」という部材を取り付け、内部の通気を確保したうえで金属サイディングを張っていきました。
今回の腐食がここまで進んでしまった原因の一つは、内部に入り込んだ水分が抜けにくく、湿った状態が長く続いてしまったことだと考えています。
そこで今回は、単純に腐食した部分を交換するだけではなく、
腐食部分の補強
水の侵入対策
内部の通気確保
金属サイディングによる外壁仕上げ
まで、一つひとつ見直して施工しました。
最初は「サイディングの1cmほどの隙間を埋めてほしい」というご相談でしたが、調査を進めたことで内部の大きな腐食を発見し、最終的にはバルコニー全体をしっかり補強・防水する工事となりました。
見えなくなる部分だからこそ、できる限り今後腐食が起こりにくい状態になるよう、最大限の施工をさせていただきました。
無事にきれいに仕上がり、本当に良かったです。
この度は工事をご依頼いただき、ありがとうございました。