








| 施工内容 | 外壁金属サイディングカバー工事 |
|---|---|
| 使用材料 | 金属サイディング |
| 施工期間 | 10日間 |
| 価格 | 110万円 |


今回のお客様は、当初「外壁塗装をお願いしたい」というご相談でお伺いしました。
南面の正面外壁が特に気になるとのことで、そこをきれいにしたいというご要望でした。
ただ、お話を伺うと、その他の三面については「そこまで気になっていない」とのこと。
現地で確認させていただいたところ、確かに正面のサイディングは南面ということもあり、紫外線の影響を強く受け、劣化が進んでいる状態でした。
この状態で塗装をしても、表面は一時的にきれいになりますが、下地の痛みが進んでいる場合は、かえって傷みを早めてしまうこともあります。
「全部塗りましょう」ではなく、
本当に必要な部分だけをしっかり直す。
他の三面が問題ないのであれば、正面だけを金属サイディングでカバーする方法をご提案させていただきました。
するとお客様も
「その方が理にかなっていますね」と、非常に前向きに受け止めてくださり、
今回、正面のみの金属サイディングカバー工事となりました。
必要以上に触らない。
それも、リフォームの大事な考え方です。



外壁のカバー工事に入る前に、まずは付帯部の塗装から行います。
雨どい、鼻隠し、軒天、飾りのパーツなど。
こういった部分を先にきちんと整えておかないと、いくら外壁を張っても全体のバランスが崩れてしまいます。
外壁だけ新品、まわりは古いまま。
これでは違和感が出ますし、仕上がりとしても美しくありません。
工事は“面”で考えるのではなく、“建物全体”で考える。
先に付帯部を塗装し、外壁を張ったときに自然に馴染むように整えていきます。
見え方まで含めて設計するのが、私たちのやり方です。



付帯部の塗装が終わり、いよいよ外壁工事のスタートです。
まず最初に行うのは、透湿シートの施工です。
写真には写っていませんが、サッシ周りなどの開口部には必ずブチルテープを施工し、防水処理をしっかり行った上で、その上に下地材を留め付けていきます。
正直なところ、透湿シートを貼らない業者さんも少なくありません。
予算を抑えるなら、省くという選択もあるのでしょう。
ですが、私たちは必ず透湿シートを貼ります。
なぜか。
外壁は「見た目」ではなく「中身」で決まるからです。
そして下地材についても同じです。
人工木材を使う業者さんも多いのですが、私たちは人工木材の長期耐久性に対して、まだ十分な信頼を持てていません。
だから、あえて木材にこだわります。
流行りやコストよりも、将来の安心を優先する。
見えなくなる部分こそ、手を抜かない。
それが私たちの考え方です。





サイディング本体を張る前に、まずは板金役物などの付帯工事を行います。
土台水切り、入隅出隅、サッシ周り、軒天の取り合い部分など、先に役物をきちんと納めていきます。
イメージとしては、
役物という“受け”を先に作り、そこへサイディングを差し込んでいく。
この順番を間違えると、納まりが甘くなります。
外壁はただ張るだけではありません。
雨がどう流れるか、どこに力がかかるか、将来どう動くか。
それを考えて組み立てていきます。
また、屋根上の三角部分のハフ板も、今回劣化がかなり進んでいました。
塗装でごまかすこともできますが、今回はそれでは持たないと判断し、下地に合板を貼り直し、寸法をきちんと取り、板金を製作して取り付けました。
見える部分こそ、構造からやり直す。
塗るか、作り直すか。
その判断が職人の仕事だと思っています。






いよいよ金属サイディング本体を張っていきます。
今回は正面のみの施工。そして正面にはバルコニーがあります。
金属サイディング工事で、私が特に神経を使うのがこのバルコニー部分です。
アルミ笠木は基本的に交換できません。
ということは、サイディング側を合わせにいくしかない。
どうしても“ふかす”形になりますが、そこで見切りをどう納めるかが腕の見せどころです。
しかもこの部材、既製品はありません。
毎回、現場ごとに寸法を取り、板金を製作して取り付けます。
さらにバルコニー下部は軒天との取り合いも絡みます。
既製品の水切りだけでは納まりが悪い。
そこでこちらで製作した板金と組み合わせ、違和感が出ないよう調整しながら仕上げていきます。
正面は家の“顔”です。
見た目だけでなく、雨仕舞いもきちんと成立させる。
今回も、機能面・意匠面ともに納得のいく仕上がりとなりました。
これにて完成です。