外壁塗装と併せて、屋根塗装をすることは、ごく一般的ではありますが、当店では屋根塗装はどうしてもやってほしい、という方以外にはオススメしていません。
理由としては、
➀ 塗装しても屋根の寿命が伸びるわけではない
➁ 屋根塗装工事で寿命が縮まる可能性がある
という大きく二つの理由があります。
一つ一つ解説していきます。
➀ 塗装しても屋根の寿命が伸びるわけではない
まず屋根には様々な種類があります。瓦屋根、スレート屋根、金属屋根、etc. この中で、大半の家の屋根はスレート屋根です。
そもそも瓦屋根は塗装自体不要ですし、金属屋根は、塗装の際、ケレンといって表面を磨く作業が入ります。これが、金属を薄くし、耐久性が下がります。
そして、多くの家にあるスレート屋根は、そもそも他の屋根材と比較しても耐久性に劣ります。塗装をしたからといって、その耐久性が伸びることはありません。
② 屋根塗装工事で寿命が縮まる可能性がある
屋根塗装の工程として、①高圧洗浄→②下地処理→③タスペーサー設置→④塗装という流れになりますが、①高圧洗浄の際、150hpaという非常に強い水圧で洗浄します。築10年以上経過していると、この衝撃だけで、スレート屋根は割れてしまうこともあるのです。また、タスペーサー設置の際に、パキっと屋根が割れることもあります。
塗装前には、割れている箇所には、コーキングをして塗装しますから、塗ってしまえばきれいにはなります。しかし、スレートの耐久性が増すわけではなく、むしろ、割れたスレートが、塗装の下に多数隠されている状態になるだけなのです。
屋根材を保護するための塗装という考え方
防水シートが必要
そもそも屋根の構造として、垂木と呼ばれる木製の骨組みの上に、野地板という合板が張られ、その上に下葺き材として防水シート(ルーフィング)、そして屋根材が一番上にある構造が一般的です。
この中で、ルーフィングは、ゴム製ルーフィングは約15年、アスファルトルーフィングは約20年とされています。
この防水シートは、劣化が進むと、古くなった輪ゴムのように、伸縮性や弾力性がなくなり、建物の揺れで破れたり、隙間ができたりします。屋根材が丈夫であれば、それでも雨漏りが起きることはありませんが、屋根材に割れ、剥がれなどが起きると、そこから雨漏りへとつながっていきます。
よく、スレート屋根自体には防水性がないから、塗装で保護しないと寿命が縮まる、ということも良く聞きますが、スレート屋根に関しては、塗装で保護しても寿命は変わりません。
むしろ、塗装工事の際に与える衝撃で割れたりすることのほうが、雨漏りリスクは高まります。
✖️ 屋根塗装で雨漏りリスクがなくなる
✖️ 屋根塗装で耐久性が増し、寿命が延びる
◯ 屋根塗装で美観は維持できる
これが屋根塗装の価値なのです。これについては、新築の建築から、屋根リフォームを何千件と対応してきた中での事実です。
美観を維持する目的で塗装するならOK
屋根塗装は、塗装屋さんが施工することがほとんどだと思います。塗装屋さんは、塗ることが目的なので、塗るためにいろいろはお話をされますが、屋根塗装も葺き替えもできる屋根工事店からすると、屋根に関しては、塗装のメリットは少ないと思います。
とはいえ、家の美観はとても気になる方が多くいらっしゃるのは事実です。
屋根屋のノブ(リルーフ)では、そこまでご理解いただいた上で、美観維持の観点で塗装をしたい、ということであれば、屋根塗装の施工も可能です。
他にも必要な屋根のメンテナンス
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既存の屋根に軽量金属の屋根材を張る工法で、屋根の葺き替えよりも低コスト。遮音性、防音性に優れます。
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屋根を新たな屋根に張り替えます。瓦屋根やスレート、アスファルトシングル、金属屋根などお選びいただけます。
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棟板金工事など屋根の補修工事も対応します。特に台風や強風後は、お問い合わせが増える工事です。
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漆喰詰め直しや、瓦の割れ、ズレなど、瓦屋根の補修工事をします。日本瓦、洋瓦、セメント瓦対応しています。
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陸屋根の屋上やベランダなどの防水処理もお任せください。ウレタン防水、FRP防水など幅広く対応します。
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雨どいのゆがみ、外れなどの修理や交換もお任せください。雨どいは雨の逃げ道を作る重要な部材です。