








今回は、静岡県島田市での屋根カバー工事の現場です。
こちらのお宅は少し特殊な形状をしており、建物の立地条件の影響か、軒先側がすべて斜めになっています。
その斜め部分は通常の雨どいではなく、「箱谷」と呼ばれる金属製の谷で雨水を処理する構造になっていました。
今回の工事は雨漏りがきっかけでの屋根カバー工事ですが、現場調査の際に確認したところ、この箱谷部分は現時点では雨漏りとは直接関係していませんでした。
しかし問題はここからです。
屋根カバー工事をしてしまうと、この谷部分は後からやり直すことがほぼ不可能になります。
劣化状況を確認すると、錆びがかなり進行しており、明らかに寿命が近い状態でした。
今は漏れていない。
でも、このままカバーしてしまえば、将来漏れても簡単には直せない。
だから私は、この谷の工事を見積もりに同時に入れさせていただきました。
相見積もりの場合、こういう判断は非常に難しいのが現実です。
今は漏れていない部分を外せば、その分見積もりは安くなります。
数字だけ見れば、その業者の方が“良心的”に見えることもあります。
ですが、本当にお客様のためになるのはどちらか。
今回のお客様は相見積もりを取らず、すべてお任せしますと言ってくださいました。
その信頼があったからこそ、将来を見据えた提案ができました。



谷工事で特に重要になるのが、ドレン部分です。
水が集中する場所であり、ここが弱いとすべてが台無しになります。
今回のお宅は構造上、ドレン部分を比較的スムーズに交換できる仕様でしたので、しっかりと新しくやり替えました。
既存の谷は錆びが広がり、明らかに限界の状態でした。
その上に新しいガルバリウム鋼板の谷を設置し、立ち上げ部分にはカサギ板金をかぶせて納めます。
この工程を先に行わなければ、かわこじの軒先を取り付けることができません。
見えない順番、見えない理屈。
でも、この順番が守られていなければ、どれだけ表面が綺麗でも意味がありません。
ここまでやって、ようやく屋根カバー工事本体に入れます。
屋根工事は「今漏れているかどうか」だけで判断するものではありません。
将来漏れない状態をつくること。
それが本当の意味での屋根工事だと、私は考えています。