








| 施工内容 | バルコニー補強、防水工事 |
|---|---|
| 使用材料 | 金属サイディング |
| 施工期間 | 5日間 |
| 価格 | 65万円 |


こちらのお宅では、バルコニー下の軒天が外れてきてしまい、以前にも大工さんへ修理をお願いしたそうです。しかし、しばらくすると再び軒天が外れてきてしまったため、今回、私たちへ修理のお見積りをご依頼いただきました。
以前の工事では、なぜ軒天が外れてしまったのかという原因には触れず、壊れた軒天をただ張り直しただけのようでした。上部の外壁にはコーキングを施工した跡も見られましたが、残念ながら根本的な解決にはなっていませんでした。
現地を確認したところ、私はバルコニー自体の防水性に問題がある可能性が高いと判断しました。外壁の劣化状況から見ても、アルミ笠木付近から水が侵入し、バルコニー内部の木材まで広い範囲で腐食している恐れがあります。
そこで、アルミ笠木を一旦取り外し、傷んでいる外壁材を剥がして内部を確認したうえで、腐食した木材を補強し、軒天も板金で張り直す工事をご提案しました。
また、問題はアルミ笠木だけではありません。幕板部分や、バルコニーの外壁と屋根がぶつかる取り合い部分の納まりも良くなかったため、そこからも雨水が入り込んでいる可能性があることをお伝えしました。
お客様は当初、「軒天を直すだけなのに、そこまで大掛かりな工事が必要なのですか」と少し驚かれていました。しかし、このような状態の現場は本当に多く、表面だけを直しても内部へ水が入り続けていれば、また同じことの繰り返しになってしまいます。
そこで、過去に施工した同じような現場の工事写真をお見せし、「外から見てこのくらい傷んでいる場合は、剥がしてみると内部の木材がこのように腐っている可能性が高いです」と具体的にご説明しました。
お客様にも状況をご理解いただき、今回は軒天だけを張り直すのではなく、雨水が侵入している原因を確認し、バルコニー全体を修繕する工事を行うこととなりました。









まずは、垂れ下がってきてしまった軒天から解体していきます。内側から腐食の原因を探りながら、傷んでいる部分を上へ向かって少しずつめくっていきました。
今回の原因の一つは、当初予想していたとおり、屋根と壁がぶつかる部分の捨て谷の納まりでした。捨て谷が壁の中に埋まったような状態になっており、本来は外へ排出されるはずの雨水が、壁の内側へ流れ込む仕組みになっていました。
さらに腐食部分を上へ向かってめくっていくと、傷みはアルミ笠木付近まで達していました。幕板とアルミ笠木を取り外して確認したところ、アルミ笠木のジョイント部分などから侵入した雨水が内部へ回っており、ひどいところでは、アルミ笠木の下にある天板の木材に穴が開いていました。
雨水が伝わったことで腐食した部分は可能な限り取り除き、この後の補強工事が行いやすい状態にしていきます。それと同時に、念のためシロアリの薬剤も散布しました。
内部にはシロアリの巣と思われる跡がありましたが、生きているシロアリは一匹も確認できず、すでにいなくなっているような状態でした。それでも、今後のことを考えて薬剤処理を行っています。
シロアリの被害があったということだけに目を向けがちですが、今回最も重要なのは、雨漏りによって木材が湿り、シロアリの被害を受けやすい状態になるほど劣化していたことです。
腐食や食害が進み、建材としての役割を果たせなくなった木材をしっかり補強し、雨水の侵入経路を直すことが最も重要です。シロアリの薬を撒くだけ、軒天を張り直すだけでは根本的な解決にはなりません。






腐食している部分をすべて特定して撤去した後は、建物を支えるための補強工事を行います。ただし、腐った木材を新しいものへ取り替えるだけでは、また同じことの繰り返しになってしまいます。補強と同時に、今後は雨水が内部へ入らないよう、防水部分の納まりも改修していく必要があります。
屋根からの捨て谷の終端部分は、壁の内側へ入り込んだ状態になっていました。そのため、捨て谷を流れてきた雨水が壁の中へ入らず、確実に外へ排出されるよう、板金で受け皿のような役物を製作して取り付けました。
既存と同じ納まりに戻すのではなく、雨水の流れる方向を考え、壁の中へ水を含ませない構造へ変更しています。この部分を直さなければ、いくら木材を新しくしても、再び同じように腐食してしまいます。
腐食が続いていたアルミ笠木の下についても、傷んだ木材を取り除き、新しい木材へ取り替えて補強しました。そのうえから屋根にも使用する粘着層付きルーフィングを貼り、雨水が内部へ入り込まないよう防水処理を行っています。
アルミ笠木を復旧する際にも、そのまま元へ戻すのではなく、ジョイント部分などから水が入った場合を考えた防水処理を行います。
また、既存の外壁は下地へ直接張る密着工法になっていたため、復旧時には木下地を取り付けて空気層を設ける通気工法へ変更します。
腐った部分を直すだけでなく、なぜ腐ったのかを考え、その原因となった納まりまで変えることが大切です。今後、同じ場所から雨水が侵入しないよう、一つひとつの部分を確認しながら最善の方法で補強と防水改修を進めていきます。










補強工事と防水改修が終わった後は、透湿防水シートを貼り、通気層を確保するための木下地を取り付けていきます。
この木下地を取り付ける際には、必ずビスの効き具合を確かめながら、トルクを確認して締め付けていきます。もしビスがしっかり効かない箇所があれば、その奥にある木材まで腐食している可能性があるため、速やかに解体して、さらに補強しなければなりません。
今回は、最初に確認した腐食部分以外では、すべて正常にビスを効かせることができました。そのため、必要な範囲の解体と補強ができており、ほかに大きく腐食している箇所はないと判断できました。
今回は密着工法から通気工法へ変更したため、外壁の仕上がりが既存の位置より35ミリ程度外側へ出てきます。そのままでは既存のアルミ笠木を元の位置へ戻すことができないため、新たに水切りを取り付けて納まりを調整しました。
外壁には水に強い金属サイディングを施工し、軒天も金属の板金で仕上げています。以前のように水の影響で軒天が傷んで外れてくる心配が少なく、非常に長持ちする造りになりました。
前回の雨水侵入の大きな原因がアルミ笠木のジョイント部分だったため、復旧時には特にこの部分を重点的に防水しました。下地となるアルミ役物にはブチルテープを貼り、カバーとなるアルミ笠木のジョイント部分にも、しっかりとシーリングを施工しています。
万が一、アルミ笠木の内側へ雨水が入ったとしても、その下にある木材の天板には屋根用の粘着層付きルーフィングを貼ってあるため、木材へ直接水が回ることはありません。このように、一つの防水処理だけに頼るのではなく、二重、三重の防水対策を行っています。
工事完了後、お客様から「今回の工事で、あとどのくらい持つようになりますか」と尋ねられました。
以前は雨水が直接回り込み、木材や軒天が非常に傷みやすい状態でした。しかし今回は、水に強い金属サイディングと軒天板金へ変更し、外壁には通気層も設けています。さらに、雨水の侵入原因となっていた部分の納まりも改修し、内部の補強と防水処理までしっかり行いました。
そのため、「ほかの部分の外壁材が傷むよりも、この改修した部分の方が長持ちすると思いますので、安心してください」と自信を持ってお伝えしました。お客様にも工事内容をご理解いただき、とても安心されていました。