






| 施工内容 | 屋根カバー工事 |
|---|---|
| 使用材料 | 立平葺き |
| 施工期間 | 10日間 |
| 価格 | 200万円 |




今回のお宅は、築年数がかなり経過している建物でした。
雨漏りがしているというご相談で伺いましたが、**お施主様からは最初の段階で「屋根を新しくしてほしい」**という明確なご要望をいただいていました。
実際に屋根を確認すると、とにかく勾配が非常に緩い。
化粧スレート屋根の最低勾配は2寸5分とされていますが、この屋根はまさにその最低勾配ギリギリでした。
雨漏りの状態もかなり進行しており、屋根の上を歩いた瞬間に、
足元が沈む感覚がはっきり伝わってきました。
この時点で、下地の合板(野地板)が腐食していると判断できます。
部分補修や表面的な対応でどうにかなる状態ではなく、
合板を新しく上から張り直すことが前提の工事になります。
そこで今回は、
**立平葺き(縦平葺き)**を施工するご提案をさせていただき、
その判断のもと、今回の工事に至りました。


足場施工中、足場業者さんから一本の電話が入りました。
内容は、「2階の足場をかける際に、1階の屋根を歩いていたところ、屋根を踏み抜いてしまい、穴が開いてしまいました」という報告でした。
もともと、この屋根は下地がかなり傷んでいることは把握していました。
ただ、人が歩いただけで踏み抜けてしまうほどとは正直思っておらず、私自身も少し驚きました。
とはいえ、幸いにもけが人は一切なく、そこは本当に不幸中の幸いだったと思います。
屋根工事の施工まではまだ日数があるため、
ひとまずその場で応急的な雨養生のみを行い、本格的な補修は工事のタイミングで対応することにしました。
改めて、足場工事がいかに慎重さを求められる作業かを再認識させられる出来事でした。





まず、寄棟部分の棟板金と棟下地を撤去し、屋根面を一度フラットな状態にします。
その上で、12ミリの構造用合板を新たに張っていきます。
このときは、ただ張るのではなく、しっかりと垂木を狙って、一本一本確実にビスで締め付けていきます。
合板を全面に張り終えた後、改質アスファルトルーフィングを施工します。
この段階で下地はかなりがっちりとした状態になりますので、屋根を踏み抜くような心配はまずありません。
職人も安心して屋根の上で作業ができる、下地として理想的な状態になります。






本谷の木先やケラバ、水切りなど、先付けとなる板金役物を先に取り付けてから、立平葺き本体の施工に入っていきます。
今回の屋根は寄棟屋根のため、一定の長さで製作された立平材を、現場ごとに切り回しながら納めていく必要があります。
一枚一枚長さや角度が異なるため、この切り回しの作業がなかなか大変な工程になります。








棟板金および、壁際の雨押さえ板金を取り付けて、仕上げ工程に入ります。
ここで使用する棟下地の木材ですが、私たちは人工木材ではなく、一般的な木材を使用しています。
理由はシンプルで、人工木材は熱に弱く、屋根に使うと傷みやすいからです。
人工木材は水に強く、腐りにくいというメリットはあります。
ただし、この立平葺きという屋根は、棟下地の木材が屋根本体から宙に浮いた構造になるため、そもそも水に触れにくく、腐るリスクはあまり高くありません。
それであれば、熱に強く、長持ちする木材を使う方が合理的だと考えています。
木材を固定した後は、宙に浮いた部分の隙間を面戸板金でしっかりと塞ぎ、
最後に棟板金と雨押さえ板金を取り付けて、工事完了となります。